館長からのメッセージ

動物園と水族館のありかた2・・・生物多様性展示へのチャレンジ:スモールイズビューティフル

猪苗代湖を望む磐梯山の山麓に昭和30年代に作られた淡水水族館は、猪苗代町の振興公社「みどりの村」が運営してきましたが、この年老いた水族館をよみがえらせるという、困難なBEFORE & AFTRERの改修工事に取り組みました。いわきと新潟を結ぶ本州横断道、磐越道経由のアクアマリンふくしまへの誘客を強化する常磐道動脈化作戦でもあります。昨年4月25日に、「みどりの村」にふさわしい翡翠(ひすい)の別名カワセミの名を冠し、「アクアマリンいなわしろカワセミ水族館」と名称を変えて、再開館しました。

アクアマリンいなわしろカワセミ水族館

アクアマリンいなわしろカワセミ水族館 アクアマリンいなわしろカワセミ水族館

理念を明確化し、猪苗代湖、磐梯朝日湖沼群の淡水生物保全と水質環境保全のメッセージを発信する。展示は旧館のアマゾン川のコレクションなどから、日本列島の北から南までのサケ科魚類を大集合させました。日本の無数の渓流はサケ科魚類の進化を促し、サケ科魚類のショーウインドウとさえ言われます。

おもしろアクアボックス おもしろアクアボックス

もう一つの、自慢の展示は、生物多様性を正面からとりあげた水生昆虫を主体とした100余りの、その名も「おもしろアクアボックス」です。ここでは、両生類、爬虫類など水辺の住人も各コーナーで展示しています。生物多様性を愚直に表現しています。スモールイズビューティフル。屋外には広大なニジマスの釣り堀もあります。従来冬季は閉館していたのですが、周年開館にしました。一冬越して、二度目の冬になりますが、旧館の数倍のお客様を迎えています。

この、生物多様性展示は、開館後15年を経た、アクアマリンふくしまでも実現しています。北海道の羅臼を収集拠点に、沿岸の寒流の海は、サンゴ礁の海にも匹敵する生物多様性の海です。そこで「おもしろアクアボックス」同様に、展示空間を可能な限り拡大し、40以上の小型水槽を配置しました。水温を一桁台に保つために設備の改修も行いました。エリアのトップには写真を配したアクリルボックスをとりつけ、展示リアを「親潮アイスボックス」の名前にふさわしいデコレーションにしました。スモールイズビューティフル、ここでも生物多様性展示が実現しました。

親潮アイスボックス 親潮アイスボックス

先日、第56回を数える「雑魚の会」には、友好提携館のジュリーパッカード館長以下、モントレー湾水族館パッカード財団ご一行と、ベルギーはアントワープのポールバンデンサンデ、世界水族館会議議長夫妻をお迎えし、潮目の大水槽前の雑魚の会が盛り上がりました。当日完成した「親潮アイスボックス」の展示が、モントレー湾水族館との北緯37度の友好関係が深まる機会となりました。

アクアマリンふくしま 館長 安部義孝