太古に水の中で展開した進化と絶滅の歴史を、「化石」と進化の生き証人である「生きた化石」で紹介します。
地質時代から例外的にゆっくりと進化して、先祖の形態を残している生物で、過去に種類数やそれぞれの個体数が大繁栄したものの、今日では細々とその子孫たちが生き残っている生物を「生きた化石」と呼んでいます。世界初!シーラカンス2種の標本を同時公開
シーラカンスは、水の惑星の生物進化の謎を解く鍵をにぎっている動物です。アクアマリンふくしまでは、「海、生命の進化」をテーマとするプロローグをもち、開館当初よりシーラカンスの生態解明に取り組んできました。
2006年にはインドネシアで生きたシーラカンスの姿をROV(水中自走式カメラ)で撮影することに成功しました。また、アフリカのタンザニアでの調査も行い撮影に成功しています。
背骨を持たない生物たち
今から約10億年前に最初の多細胞生物が出現し、その後クラゲやゴカイのなかまが現れました。約6億年前には、さまざまな種類の無脊椎動物たちが繁栄しました。化石として発掘される三葉虫や生きた化石のオウムガイの先祖もこの頃に出現しています。展示水槽では、カブトガニなどを見ることができます。
脊椎動物の祖先!?ナメクジウオ
ナメクジウオは、名前からすると魚のように思われますが、目も、頭の骨も、背骨もありません。原始的な脊索(せきさく)をもつ原索動物のなかまです。背骨をもつ動物を脊椎動物とよびますが、脊椎は脊索が進化してできたとされ、ナメクジウオは脊椎動物の祖先といわれています。
かたい骨をもたない魚
古生代デボン紀に登場した軟骨魚類は、約4億年前にサメやエイのなかまとギンザメ類に分かれて進化しました。
サメやエイの仲間は現在も繁栄していて、約800種類以上がいます。一方、ギンザメ類は、深海を中心に約40種類が確認されているにすぎません。
ここでは、ギンザメの仲間であるスポッテッドラットフィッシュを展示しています。
四足動物の祖先
肺をもつ魚であるハイギョは、古生代デボン紀に出現しました。ハイギョの肺は、肺の原始的な形と考えられています。
ハイギョやシーラカンスは、両生類に近いグループです。ハイギョの方がより両生類に近い種類であることがわかっていますが、シーラカンスにも痕跡的な肺が見つかっています。
水中から陸へ
古生代デボン紀には、イクチオステガやアカントステガなどの「初期の両生類」が出現したと考えられています。
イクチオステガは、骨格の形から、四足で陸上を歩くことはせず、おそらく水辺から離れず水につかった魚類のような生活をしていたと思われます。
ここでは、世界最大の両生類であり、水の中で一生を送るオオサンショウウオを紹介します。