海・生命の進化

インドネシアシーラカンス
展示場所
本館1階

進化を物語る生きた化石

太古に水の中で展開した進化と絶滅の歴史を、「化石」と進化の生き証人である「生きた化石」で紹介します。

地質時代から例外的にゆっくりと進化して、先祖の形態を残している生物で、過去に種類数やそれぞれの個体数が大繁栄したものの、今日では細々とその子孫たちが生き残っている生物を「生きた化石」と呼んでいます。
例えば、オウムガイのなかまは、古生代カンブリア紀(約5.4億年前~4.9億年前)に出現し、デボン紀(約3.6億年前~4.1億年前)に大繁栄しました。しかし、その後ほとんどが絶滅し、現在ではインド洋から太平洋の限られた海域に数種類が見られるだけです。
「化石」や「生きた化石」を詳しく調査・研究することによって、過去から現代までの生物の進化の過程や環境の変化を探ることができます。

展示に関するお知らせ

世界初!シーラカンス2種の標本を同時公開

現在生息が確認されているシーラカンスは、アフリカの「シーラカンス」と「インドネシアシーラカンス」の2種です。
1階「海・生命の進化」コーナーでは、この2種の標本を同時公開しています。2種を同時に見られるのは世界でもアクアマリンふくしまだけです。

主な展示生物

このエリアの展示生物をもっと見る

シーラカンスとは?

シーラカンス※ 掲載している写真の無断転載・無断使用を禁止します。

シーラカンスは、水の惑星の生物進化の謎を解く鍵をにぎっている動物です。アクアマリンふくしまでは、「海、生命の進化」をテーマとするプロローグをもち、開館当初よりシーラカンスの生態解明に取り組んできました。

2006年にはインドネシアで生きたシーラカンスの姿をROV(水中自走式カメラ)で撮影することに成功しました。また、アフリカのタンザニアでの調査も行い撮影に成功しています。

背骨を持たない生物たち

無脊椎動物(むせきついどうぶつ)

今から約10億年前に最初の多細胞生物が出現し、その後クラゲやゴカイのなかまが現れました。約6億年前には、さまざまな種類の無脊椎動物たちが繁栄しました。化石として発掘される三葉虫や生きた化石のオウムガイの先祖もこの頃に出現しています。展示水槽では、カブトガニなどを見ることができます。

脊椎動物の祖先!?ナメクジウオ

原索動物(げんさくどうぶつ)

ナメクジウオは、名前からすると魚のように思われますが、目も、頭の骨も、背骨もありません。原始的な脊索(せきさく)をもつ原索動物のなかまです。背骨をもつ動物を脊椎動物とよびますが、脊椎は脊索が進化してできたとされ、ナメクジウオは脊椎動物の祖先といわれています。

ヒガシナメクジウオ

かたい骨をもたない魚

軟骨魚類―サメやエイの仲間

古生代デボン紀に登場した軟骨魚類は、約4億年前にサメやエイのなかまとギンザメ類に分かれて進化しました。
サメやエイの仲間は現在も繁栄していて、約800種類以上がいます。一方、ギンザメ類は、深海を中心に約40種類が確認されているにすぎません。
ここでは、ギンザメの仲間であるスポッテッドラットフィッシュを展示しています。

スポッテッドラットフィッシュ

四足動物の祖先

硬骨魚類ーハイギョとシーラカンス

肺をもつ魚であるハイギョは、古生代デボン紀に出現しました。ハイギョの肺は、肺の原始的な形と考えられています。
ハイギョやシーラカンスは、両生類に近いグループです。ハイギョの方がより両生類に近い種類であることがわかっていますが、シーラカンスにも痕跡的な肺が見つかっています。

シーラカンスの化石

水中から陸へ

両生類

古生代デボン紀には、イクチオステガやアカントステガなどの「初期の両生類」が出現したと考えられています。
イクチオステガは、骨格の形から、四足で陸上を歩くことはせず、おそらく水辺から離れず水につかった魚類のような生活をしていたと思われます。
ここでは、世界最大の両生類であり、水の中で一生を送るオオサンショウウオを紹介します。

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