第70号|
動物園と水族館のありかた-1・・・異ジャンル交流の場へ
恒例の小名浜国際環境芸術祭は9月17日から11月20日の日程で開催されています。アクアマリンふくしまのアート展は、開館の年、2000年の異ジャンルの若手芸術家の参画による「エッグ・オブ・アーティスト展」にはじまります。当初は、ビエンナーレでしたが、2003年の環境水族館宣言*を機に2004年から毎年開催するようになりました。今年で第13回になります。
小名浜倉庫群の原風景保存運動をかかげ、ニューヨークのSOHOをもじって三角倉庫群SOKOを展示会場として活用してきました。2011、大津波が、旧5,6号倉庫を真正面から襲い、修理不能になり、とりこわされました。今後、地域の環境芸術の拠点として、失われた原風景の復活のテーマにすべきと思います。
「よみがえれ、私たちの海」のコピーのもとに開催してきた大漁旗デザイン展は第9回になりました。秋風にたなびく大漁旗は人々に勇気を与えます。
「生きた芸術」とも云われる盆栽や金魚が本館の入り口から皆様をお迎えします。テラスでは小名浜盆栽研究会の盆栽マスターの作品を四季、楽しめます。
2015年、本館へのアプローチに「わくわく里山・縄文の里」が竣工しました。200メートルのトンネルの窓「かまち」から眺める縄文時代の自然環境を楽しむ趣向です。これも壮大な環境芸術をいえるでしょう。一見緑豊かにみえる我が国の自然環境は間違いなく砂漠化に向かっています。「砂漠に緑を!」。小名浜港に二号ふ頭は「港オアシス」に変貌させます。キネテイックアート(動く芸術)の大家、伊藤隆道氏の作品「廻るリング」は縄文の心臓が鼓動するように、人々を勇気づけるInspiring Aquariumのシンボルとなっています。