館長からのメッセージ

寿司処、Happy Oceans開店

毎月、第三水曜日夕方に、潮目の海の竜宮の間で開催してきた「雑魚の会」は被災の年、2011年の9月にはじめた。この9月で26回を数える。
雑魚の会では夕方から壁面に寿司カウンターが現れる。小名浜の町中の寿司店が交代で出店する。大好評である。
そこで、ランチタイムにも開店してはどうかと、出店寿司屋の主に打診してきた。しかし、彼らはためらっていた。寿司職人を日中このために1人雇用するほどの稼ぎは見込めないとのことのようだった。そこで、小名浜市民会議がウオーターフロントの倉庫に開店した「美食ホテル」の社長に相談した。「やってみようではないか」との二つ返事。
そこで、念願の寿司処の昼間の開店が可能になった。水族館の水槽前での寿司店開店は、そのメッセージ性からも私の念願だったので、ひとり快哉をさけんだ。
ワイルドミートクライシス(Wild Meat Crisis)は、WAZA(世界動物園水族館協会)の総会ではたびたびとりあげられるテーマである。漁業もWild Meatを利用する手段である。
モントレー湾水族館のSeafood Watch活動も、種の再生産を脅かさない海洋資源の利用水準を維持しようとする運動だ。モントレー湾水族館の館長ジュリーパッカードさんとこのテーマで会話した。海洋資源の利用で、アクアマリンふくしまとモントレー湾水族館の歩調が合えばよい。
持続可能な、科学的に管理された資源利用こそ海洋のワイルドミートクライシスを解決するかぎである。我が水産庁の担当者も乗り気だ。寿司ねたの資源量を、交通標識になぞらえて、赤黄青の信号をともす。魚の顔は筆者のデザインだ。青を主体に仕入れてもらうことにしている。