館長からのメッセージ

アクアマリンいなわしろカワセミ水族館の開館「湖(うみ)の生態系モデルをつくる」Creating the Ecological Model of the Lake Inawashiro

4月24日プレオープニング 4月24日プレオープニング

このたび、私たちは、年老いた猪苗代淡水水族館をよみがえらせる、という使命を帯びて、その運営を猪苗代町から委任されました。この機会に、私たちは猪苗代町が運営する「みどりの村」にふさわしい翡翠の別名のあるカワセミの名を冠し、「いなわしろカワセミ水族館」と名称を変えて、運営に取り組むことに致しました。

アクアマリンふくしまは、新潟市水族館マリンピア日本海と友好提携をしております。
猪苗代湖は、太平洋と日本海を結ぶ磐越道のほぼ中間点にあって、天鏡の別名があります。太平洋岸のアクアマリンふくしまで朝日を拝み、そして天鏡で休憩し水族館を見学し、新潟水族館から日本海の夕日を拝むことをお勧めします。

猪苗代湖は、大自然と大きな観光資源にめぐまれています。
この度の、いなわしろカワセミ水族館の事業は、磐越道の動脈化作戦の一つでもあります。また、かつての塩の道、水産物の道を甦らせる事業でもあります。沿線の魅力的な大自然と観光を求めて多くの人々が集うスポットの一つでありたいと願っております。
猪苗代町からは、毎年のようにゴールデンウイーク前に、雪のプレゼントをいただいておりました。雪は、北海道産のトドだけでなく、浜の子供にも雪だるまづくりで大人気でした。町の観光部門とともに、津金前町長、前後現町長とも交流がありました。このような交流の歴史を経て、いなわしろカワセミ水族館が実現しました。猪苗代歴代町長はじめ、関係者のご理解とご協力に心より感謝を申し上げます。

古い水族館を蘇らせるのはそう簡単ではありませんでした。30年あまりの間の様々な展示物の蓄積によって空間が埋め尽くされていました。それらを整理するのに一か月を要しました。理念の再構築から始める必要がありました。いわば、古い建物の蘇らせる人気のテレビ番組のBefore and Afterの水族館バージョンでもありました。

1.「年老いた水族館を甦らせる」・・・

猪苗代カワセミ水族館展示シナリオの改定方針:アマゾンや世界の珍魚のコレクションから、猪苗代湖の稀少淡水魚保全への転換する。1970年代に絶滅した二ホンカワウソに代わるユーラシアカワウソ、カワワセミなどは、アイコン種として、展示に組み込むこと。猪苗代湖の別名、天鏡を冠した、保全センターの機能を担うために、福島県の稀少淡水魚保全は11本の中型水槽を用意しました。

水槽展示ビフォア 水槽展示ビフォア

水槽展示アフター「ふくしまの希少な淡水魚」 水槽展示アフター「ふくしまの希少な淡水魚」

水槽展示ビフォア 水槽展示ビフォア

水槽展示アフター 「サケ・マス ショーウィンドウ」 水槽展示アフター 「サケ・マス ショーウィンドウ」

  • 日本列島の淡水魚分布の実態はどうなっているのか。
  • 動物地理学的な視点で日本列島の淡水魚類相を総括する。大陸と比較してきわめて貧弱な魚類相であることも認識しつつ稀少淡水魚展示を構成する。
  • 一方では、世界的に両生類相は豊かである。これは淡水生物の棲息場所の多様性が際だっているからである。
  • 両生類展示を常設展示に位置づける。両棲類と同様に、日本列島はサケ科魚類ショーウインドウと言われる。
  • これらは、動物地理学的テーマとして、極めてダイナミックであり魅力的である。既存の水槽をフル活用して北海道から九州まで、固有種のサケ科魚類と両棲類を展示する。さらに、世界のサケ科魚類や両生類の展示も将来の課題とする。
  • ブラックバスなど外来魚の展示を通じたメッセージは重要である。これらは外来魚コーナーで展示するほか、釣り堀の釣り魚として扱いたい。
  • 猪苗代湖の自然は、象徴的なエコボールの展示がスマートです。エコボールはアイキャッチとして対応します。
  • 広大な外構(20,748㎡)のうち約10,000㎡は池と渓流であり「釣り体験の場」として活用する。渓流魚釣は、釣り上達の登竜門でもある。

生物多様性のアクアボックス

生物多様性のアクアボックス 生物多様性のアクアボックス

2.情報コーナーのエリア名を改称する

展示棟 I (AIKA-I): 一階;442㎡、二階;321㎡

  • 玄関の池(日本庭園に改装計画):ニシキゴイとニジマスの展示
  • 理念サイン「猪苗代湖の生態系モデルをつくる」
  • ゲート水槽展示:湖と小川
  • 解説ボックスエリアサイン:

①「この大自然を護(まも)る!」
猪苗代湖と裏磐梯湖沼群(こしょうぐん)の環境情報

2F
「ばんえつ道、魅力発見の旅」
<いわきで太平洋の日の出を見て、磐越道沿線の面白い文化施設を訪問し、新潟で日本海の日没を体験する>
「あぶくま発見の旅」ネットワークのいわき市8文化施設に、あぶくま洞、諸橋美術館、新潟市美術館等を加えて磐越道沿線の文化施設を紹介するコーナー

展示棟 I (AIKA-I) 地域の生態系メッセージ 展示棟 I (AIKA-I)地域の生態系メッセージ

展示棟 I (AIKA-I)磐越道沿線博物館紹介 展示棟 I (AIKA-I)磐越道沿線博物館紹介

3.水族館棟のエリアサイン改称

展示棟AIKA II(592㎡) トンネル「湖底のみち」
わさび滝
小宮輝之野鳥写真展(元上野動物園長)
"身近な水環境が病んでいる"ーふくしまの希少な淡水生物"
外来魚の脅威
「おもしろ箱水族館・生物多様性の世界」

4.屋外施設:釣り体験

敷地の南斜面(約2ヘクタール)に広がる既設の釣堀と渓流を体験教育の場として活用する。
アクアマリンふくしまの方針と一致させ、単なる食欲を満たす釣り体験から、「命の教育」の場として機能させる。
また渓流は、釣りの奥義につながる野生動物との交流の場として整備していく方向である。

釣り堀 釣り堀

5.運営方針

従来、降雪期に閉館をしていたのであるが、周年開館を目指し、日本動物園水族館協会の資格審査をめざすこととする。

アクアマリンふくしま 館長 安部義孝