館長からのメッセージ

アクアマリンふくしまのHappy Oceansキャンペーン

大漁旗 Happy Oceans 大漁旗 Happy Oceans

アクアマリンふくしまでは、2011年の9月17日から「雑魚を美味しく食べる会」通称、「雑魚の会」をはじめました。毎月第三の週に開催し、2014年8月20日で、まる3年、36回の節目を迎えました。会は、3000万トンも廃棄されるというバイキャッチ(雑魚)のブランド化を考える場でもあります。

私は、自然を愛でる日本人は、案外、環境破壊に無頓着でやってきたように思います。それは、豊かで恢復力の強い環境に慣れ親しんだ結果であると思います。しかし、この半世紀、海も山も川の環境もかなり荒れています。はじめから、自然が単純で貧しい諸国では、自然保護・愛護の観念が異常なほど強いようです。

食べる魚の資源量を消費者に伝える役割は水族館です。モントレー湾水族館、バンクーバー水族館、ボストンその他、多くのNPOが、水産資源枯渇に警鐘をならしています。水族館は重要なメッセンジャーと考えられています。

私も、地域の行政から欠落している消費者教育は必要であり、水族館の役割の一つであることは疑いないと思っています。しかし、もっと危惧されるのは漁業の生き残り策ではないかと思っている。 災害の後、3年間の休漁の効果を検証し、沿岸資源の保全のありかたを見なおす機会でもあります。 わが親愛なる、モントレー湾水族館のジュリーパッカード館長は、水族館の効果の確かな教育活動として、"Seafood Watch"のキャンペーンを始めました。

モントレー湾の海洋水産資源についての FAOの報告書によると、海洋水産資源の利用は19%が過剰漁獲、8%が枯渇、1%が枯渇から回復しつつあるとされています。 また、約半分(52%)が満限利用の状態にあり、20%が適度な利用又は低・未利用の状態とされています。

国連食糧農業機関FAO水産委員会においては、漁獲能力に関する国際行動計画の実施の必要性が再確認されました。

今後とも水産資源を持続的に利用していくためには、各国による水産資源管理の一層の強化が求められています。

Happy Oceans加盟店

資源状態の例;

過剰利用または枯渇状態;
クロマグロ(大西洋)、マダラ(北西部大西洋)、ペルーカタクチイワシ(南東部太平洋)など

満限利用状態:
セイス(シロイトダラ)(北西大西洋)、ベニザケ(北太平洋)、バナナエビ(別称天竺エビ)(中西部太平洋)

適度または未利用状態;
カツオ(インド洋)、イカ類(南島太平洋)、キハダ(インド洋)

各国の人口の増加や、経済発展などを背景とした世界的な水産物需要の増大に応える形で、世界の漁業・養殖業生産量は増加を続けてきました。

しかし、近年、海面漁業の生産量は頭打ちとなり、1990年代以降は養殖業(主に中国)が生産量の増大を支え、生産量の4割に達しています。

FAOの「世界漁業・養殖業白書(2008年)」によれば、今後、海面漁業の生産量については大幅な増加が見込めないものの、養殖業の生産量については増加する可能性があるものと見込まれています。 水産資源は、「科学的根拠に基づいた適切な管理を行い、持続的に利用していくべき」と考えられます。 そのためには、各個別の資源について、「現在の資源状態はどうなっているか」、「近年の増減はどうなっているか」、「どのような管理をすべきか」などを把握するための調査を実施する必要があります。 また、国際漁業資源として挙げている生物は、「分布域が広大している」、「他国の水域内にも分布する」などの特徴を持っているため、日本一国だけで完全な管理をしていくことは不可能です。

そのため、これらの資源について複数の国が協力して管理を行うための国際機関が複数存在するほか、2国間での話し合いも行われています。このため、国際資源調査は、『多国間で管理される魚種を増加させ、かつ、その管理が科学的根拠に基づいて行われるための知見の収集と分析を実施し、国際資源の適切な管理を行ってゆくこと』を、その目的としています。

水産資源は、「科学的根拠に基づいた適切な管理を行い、持続的に利用していくべき」と考えられます。 そのためには、各個別の資源について、「現在の資源状態はどうなっているか」、「近年の増減はどうなっているか」、「どのような管理をすべきか」などを把握するための調査を実施する必要があります。 アクアマリンふくしまのHappy Oceansキャンペーンは、この問題を消費者である水族館の利用者に発信しつづけます。

アクアマリンふくしまのHappy Oceansキャンペーン