館長からのメッセージ

企画展示「鯨あらわる~よみがえる鯨文化~」の意義

クジラを食べることがいつの間にか野蛮な行為だという。動物愛護の感情論である。海洋資源の一つとして持続可能な利用をはかるべきである。クジラの利用を知らない世代ばかりになると捕鯨の技術や鯨文化も忘れ去られる。

商業捕鯨全面禁止決議(1986年・モラトリアム)以来、日本は細々と調査捕鯨を継続してきた。IWC国際補鯨委員会は加盟40カ国。かつての鯨油分配会議の構成国であるので捕鯨とは無縁な国々が多く含まれる。

出席は34,5カ国、三分の二の議決で成立するが日本の捕鯨再開の提案にはいつも賛成10,反対20、棄権4,5で否決されてきた。

日本の海洋調査は、クジラ類35種(80余種中)が年間3億~5億トンのサカナを食べていると推定している。これに対し人間の獲る水産物は年間1億トンに満たない。海洋生物資源は適正に管理することによって永久的に利用できる。魚になった哺乳類クジラだけを保護するのは科学的でない。

日本の科学的調査によれば多くの種の資源量は十分に回復している。2002年IWCは下関にて4月24日から5月24日の会期で開催される。

このときにアクアマリンの企画展示「鯨あらわる~よみがえる鯨文化~」は、縄文時代から続く海洋の自然との共存、捨てるところのない鯨利用の文化、その持続可能な利用の意味を伝える。

アクアマリンふくしま 館長 安部義孝