最新の生き物情報

オオメンダコ国内展示日数の最長記録を達成(12/22展示終了)

※12月22日(金)で展示を終了します。応援してくださった皆様、ありがとうございました。

アクアマリンふくしまでは「親潮アイスボックス」コーナーで、深海生物のオオメンダコを展示していますが、2023年12月12日(火)で国内展示日数の最長記録となる143日を迎えましたのでお知らせします。

■展示場所 アクアマリンふくしま本館2階「親潮アイスボックス」
■展示開始日 2023年7月23日(日)
■採集場所 北海道知床羅臼沖 水深800m-1,200m
■展示生物
和名:オオメンダコ
学名:Opisthoteuthis californiana
英名Flapjack octopus
分類:頭足網八腕目メンダコ科
展示個体:展示開始時 幅約40cm、1個体

■特徴、経緯
日本では北海道から鹿島灘沖の水深450m~1,200mで分布が確認されています。しかし、底曳網や刺網で採集されるため生きた状態であがることは極めて稀で、飼育例もほぼありません。メンダコ科は日本では4種類(メンダコ、オオメンダコ、センベイダコ、オオクラゲタコ)が知られています。そのうちメンダコは、駿河湾の底曳き網で多数捕獲され幅15~20㎝と小型なのに対し、オオメンダコは幅30cm以上と大型になります。

当館では過去にも、同コーナーで本種の展示に挑戦してきましたが、今回12月12日(火)で143日目を迎え、過去最長の国内飼育展示記録を更新することができました。更新の要因は、個体にあわせた緻密な環境改善と、初めて刺餌(給餌棒を使用して生物に餌を与える手法)に成功したことです。そして、例年に比べ水温が高いという悪条件のなか、羅臼の漁業者の丁寧なハンドリングが本個体の条件に大きく影響しました。2023年11月に行った当館で今年話題になった生き物を決める「流行魚大賞2023」というイベントにおいても、他の生き物に大差をつけて1位をとるほどの圧倒的な人気を誇る生き物です。今後も試行錯誤を繰り返し、多くの知見を積み重ねていきます。皆様にはぜひその姿を展示でご覧いただき、その様を感じ共に見守っていただけたら嬉しいです。