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激レア深海生物ぞくぞく!ハゴロモコンニャクウオ、ニュウドウカジカ展示開始

4月下旬に北海道知床沖675~1200mで採集されたニュウドウカジカとハゴロモコンニャクウオを2堦「親潮アイスボックス」に展示しました。同コーナーにはオオグチボヤも展示しています。

いずれも長期飼育が難しく、生きた姿を見られる機会は非常に稀です!

  • ハゴロモコンニャクウオ
  • ニュウドウカジカ

  • ニュウドウカジカ
  • ウラナイカジカ科ウラナイカジカ属
  • 学名Psychrolutes phrictus
  • 英名Blobfish

ニュウドウカジカは、2013年に英国で「世界一醜い生き物」という不名誉な認定を受けた魚のなかまです。確かにネット上にアップされている多くの写真は、底曳網で深海から引き揚げられ皮膚が剥がれてしまい、桃色の肉が露出したヒドい姿です。しかし生存中のニュウドウカジカBlobfishは、頭が大きい割に目が小さく、髭が顔いっぱいに生えた、愛らしい姿をしています。日本名の由来は、このヒゲ面が仏門に入った高貴な方を指す「入道」を連想することから付けられました。

  • ハゴロモコンニャクウオ
  • クサウオ科
  • 学名Careproctus zachirus

ハゴロモコンニャクウオは、米国アリューシャン列島や千島列島の水深300m以深で確認されていました。日本では未確認種であったため、標準和名がない魚でした。しかし、当館等の研究で、201711月末にこの名前が付きました。
体表が薄い桃色のゼラチン質で、胸びれが長く(体の半分ほど)、泳ぐ姿が、「羽衣」を着た天女をイメージさせます。普段は、腹部にある大きな吸盤で岩や壁にくっついてじっとしています。
長い胸びれに、エサを感じる器官があり、水槽にエサのサクラエビやイソメを入れると、この胸びれを大きく広げながら、砂地をゆっくりと遊泳する姿を見ることができます。

当館での展示は2022年以来です。今後も、複数の個体を同時に飼育し、繁殖の研究にも力を入れていく予定です。