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世界でも希少なダイオウキジンエビの赤ちゃん展示開始

2階「親潮アイスボックス」にて、「ダイオウキジンエビ」の赤ちゃんを展示します。謎に包まれた深海にすむエビジャコ科の王様「ダイオウキジンエビ」は、アクアマリンふくしまの研究で子守をすることが明らかになりました!

ダイオウキジンエビ幼体 展示個体

ダイオウキジンエビ メスの腹部にしがみつくダイオウキジンエビの幼体

2016年に千葉県立中央博物館駒井氏とアクアマリンふくしまの共同研究による論文から新種記載され世界でも当館でしか展示していない「ダイオウキジンエビ」は、深海に生息しているため繁殖生態は謎に包まれています。

当館で2016年よりメス親の飼育実験を行ったところ、卵のふ化に成功し、幼体がメスの腹部に一定期間しがみつく行動が確認されました(Hibino et al., 2020:Crustacean Research 2020 Vol.49:9-14)。 飼育と観察は現在も続いていますが、ふ化以降幼体がしばらく親元に留まるのは海産のエビ類としては大変珍しいことです。

このたび2019年7月に生まれて親から独り立ちを始めたばかりのダイオウキジンエビの幼体を展示することになりました。見た目はいかつい母エビとつぶらな瞳の赤ちゃんの様子をあわせてぜひご覧ください。

ダイオウキジンエビ

  • ダイオウキジンエビ
  • エビジャコ科キジンエビ属
  • 学名Sclerocrangon rex Komai & Matsuzaki, 2016

北海道羅臼沖水深800-1200mに生息。約220種が知られるエビジャコ科では世界最大となり、その大きさから学名のrex(=王)、標準和名のダイオウキジンエビ(=大王鬼神エビ)が命名された。地元では「ガサエビ」と呼ばれ、以前から美味であることが知られるが、水揚量が少なく市場への流通量は少ない。