最新の生き物情報

新種の深海魚「ユウレイコンニャクウオ」公表のお知らせ

アクアマリンふくしまで採集した新種の深海魚が「ユウレイコンニャクウオ」として、公表されましたのでお知らせいたします。(生存個体はなく、展示は行っていません)

ユウレイコンニャクウオ

吸盤で貼りつくユウレイコンニャクウオ

  • ユウレイコンニャクウオ
  • クサウオ科コンニャクウオ属
  • 学名Careproctus longidigidus Kai & Matsuzaki, 2019
ユウレイコンニャクウオ特徴の長い胸びれ

ユウレイコンニャクウオ特徴の長い胸びれ

京都大学の甲斐嘉晃博士とアクアマリンふくしまの共同研究によって、2017年~2019年にかけて北海道知床羅臼沖で採集された4個体のコンニャクウオ属魚類が、日本魚類学会の英文誌に新種として公表されました(Kai & Matsuzaki, 2019: Ichthyological Research)。
生存中はエサの匂いがすると糸状に伸びた胸びれを使って、ゆったりとした泳ぎでエサを探します。その姿が手を伸ばした「幽霊」のようなイメージであったため、標準和名が「ユウレイコンニャクウオ」になりました。甲斐博士によるとコンニャクウオの仲間は約150種類いますが、このように、ほそ長い指のような胸びれを持つ種はほとんどいません。
まだ世界で4個体しか確認されていないとても珍しい種ですが、採集後2週間は生存した個体もいました。アクアマリンふくしまでは、今後の生体の展示を目指しています。

論文はこちら↓

https://doi.org/10.1007/s10228-019-00711-y