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いわきの海から新発見!新種のヒトデ「サザレスナヒトデ」公表のお知らせ

いわき沖で採集した新種のヒトデが「サザレスナヒトデ」として公表されましたのでお知らせいたします。(生体および標本展示は行っていません)

  • サザレスナヒトデ
  • 体表に散在する叉棘(矢印で示した部分)

論文公表日

2024年3月5日(火)

採集場所

いわき沖水深175m トロール調査

名前  

標準和名:サザレスナヒトデ
学名:Luidia iwakiensis

※いわき沖からの発見にちなみ、種小名は「iwakiensis」と命名。

特徴

腕は5本。近縁種サガミスナヒトデL. sagamina異なり、体表に多数のはさみのような棘(叉棘)が不均一にちりばめられている。この叉棘が小石状に丸みを帯びており、さざれ石(石灰質角礫岩)のように見えることが和名の由縁。

詳細

2021年3月8日に実施された福島県水産海洋研究センター、調査指導船「いわき丸」のトロール調査に当館の職員が調査・展示を目的に乗船し、その時採集された1個体のスナヒトデ属の未記載種が、東京大学大学院理学系研究科附属臨海実験所学術専門職員の小林格博士、東京大学大学院理学系研究科の山本真正大学院生(研究当時)、国立科学博物館の藤田敏彦博士らとの共同研究によって新種として公表されました。(Kobayashi, I., Hibino, M., Yamamoto, M., & Fujita, T, 2024:Journal of the Marine Biological Association of the United Kingdom https://doi.org/10.1017/S0025315424000158)。

小林博士によると、スナヒトデ属は、世界各地の熱帯~温帯の砂底に生息し、48種(国内6種)が知られています。スナヒトデ属では貝類などを捕食する獰猛な種が多く知られていますが、今回の新種の生態はわかっておらず、今後の研究が待たれます。スナヒトデ属の新種が日本から発見されるのは104年ぶりです。

 

*4月から本館2階「飼育員の研究レポート」でも情報掲載予定です。