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冬の季節に真っ白な新種「白雪えび」を世界初展示!

2階「親潮アイスボックス」に新種のエビ2種を展示しますのでお知らせします。

アクアマリンふくしまで生物調査を行っている北海道知床半島羅臼沖で採集されたエビ3種が、千葉県立中央博物館の駒井智幸博士と共同研究を進めた結果、1月16日に新種として公表されました(Komai & Hibino, 2019: Zootaxa 4545(1))。

成長すると20㎝にもなる大形のエビです。高級寿司ネタとして知られる「ラウスブドウエビ」の仲間が3種も同時に新種として発見されたことは驚きです。さらに今回は、生きている個体を確保することができたため、水族館で展示をすることになりました。これらのエビは、2014年から採集と飼育研究を行っていますが、新種3種中の2種(シラユキモロトゲエビとシレトコモロトゲエビ)を世界で初めて展示します。今回の展示は成体(=親)だけでなく、水族館で孵化し育てた稚エビ(=子供)の展示も合わせた『新種の親子展示』です。

 

※採集・飼育が非常に難しく世界でも展示例はありません。お早目にご覧ください。

  • シラユキモロトゲエビ
  • タラバエビ科モロトゲエビ属
  • 学名Pandalopsis princeps Komai & Hibino, 2019

深海のエビでは珍しく透きとおるような白色の体色が特徴です。和名・学名は、採集地の北海道羅臼町の小学校の生徒がこのエビの姿を見て考案した「白雪姫エビ」にちなみ、和名には「シラユキ」、学名にprinceps (=姫)と名付けました。

  • シレトコモロトゲエビ
  • タラバエビ科モロトゲエビ属
  • 学名Pandalopsis houyuu Komai & Hibino, 2019

体全体が赤色で、額角の上縁全体に棘があるのが特徴です。水産重要種である「ラウスブドウエビ」に勝るとも劣らない美味しさであることから、将来豊かな知床の海を代表する種となることを願い、和名は産地にちなみ「シレトコ」、学名のhouyuuは、今回の3新種を採取したエビかご漁船「豊佑丸(ほうゆうまる)」への献名です。

  • クレナイモロトゲエビ
  • タラバエビ科モロトゲエビ属
  • 学名Pandalopsis capillus Komai & Hibino, 2019

頭全体に細毛が生えているのが特徴で、学名のcapillusはこの特徴を意味します。和名は体色全体が美しい「紅色」であることに由来しています。