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深海ザメ ラブカの胎仔を展示しました

ラブカの胎仔の展示について

アクアマリンふくしまでは、「ふくしまの海~大陸棚への道~」のオープンにあわせて、ラブカの胎仔(たいし)を展示しました。このラブカは東海大学海洋科学博物館(静岡市)との共同研究によって得られた個体です。2個体を同博物館より当館に移送し、人工環境下で管理し、展示しています。長期飼育は大変難しく、ラブカの胎仔の展示例は、東海大学海洋科学博物館とアクアマリンふくしまでしかありません。この機会にぜひ、深海ザメ「ラブカ」をご覧ください。


ラブカとは

ラブカ目ラブカ科

  • 学名:Chlamydoselachus anguineus
  • 英名:Frilled Shark

ラブカは、水深500~1000m以深に生息し、イカ類などを捕食しています。駿河湾で行われているサクラエビ漁では水深80mで混獲されることがあります。胎生で妊娠期間は3年半に及び、2~15尾の子を産み、最大で全長2mになります。体型、歯の形状、エラの数などが、今から3億6千万年前の古代デボン紀に栄えた古代鮫のクラドセラケ(Cladoselache)に似ていることから「生きた化石」と呼ばれています。

世界で1属1種と考えられてきましたが、2009年に南アフリカの近海で新たな1種が報告されました。

水族館では、たびたび底曳網や刺し網、サクラエビ漁で混獲された個体が展示されますが、数日で死亡する事例がほとんどです。これは水深500m以深に生息するラブカが水圧のない環境では肝臓の機能が損なわれることが要因であると考えられています。水圧の肝臓への影響はラブカに限らず、深海サメ類全般に当てはまることで、ほとんどの種類が長期飼育できないのが現状です。