お知らせ

「エンリッチメント大賞2018」大賞受賞

アクアマリンふくしまでは、ユーラシアカワウソの飼育環境を豊かにする取り組みについて「エンリッチメント大賞2018」の大賞を受賞いたしましたので、お知らせいたします。

エンリッチメント大賞とは

「エンリッチメント大賞」は、動物園・水族館に対する社会的な意識を高め、飼育動物たちの生活環境を豊かにする様々な工夫・試みである「環境エンリッチメント」を推進するため、市民ZOOネットワークにより創設されました。
   2018年5月1日~5月31日に募集された第17回目となる「エンリッチメント大賞2018」には、22件の取り組みに対して全国から32通の応募がありました。その中で、当館のユーラシアカワウソの飼育に関する取り組みは「大賞」を受賞しました。その他に奨励賞1件、グッドアイディア賞1件が選ばれました。

受賞について

大賞:生息環境を再現した展示施設が引き出したユーラシアカワウソの哺育行動

公益財団法人ふくしま海洋科学館 中村 千穂
■受賞発表:2018年10月1日(月)


【審査委員コメント】
NPO法人 市民ZOOネットワーク事務局HP より転載)
ユーラシアカワウソの生息環境の主たる要素を再現して、2015年に新しい施設がオープンしました。動物たちが暮らす豊かな環境要素を、陸上はもちろん、水中にも取り入れ、年間を通じて水草が茂り、魚の群れが泳ぐ飼育環境は、国内初の事例となりました。さらに、巣箱を複数追加するなどの工夫を重ねることで、隔絶性の高い巣での出産や気象条件による巣の移動など、野生本来の行動の発現に成功しました。こうした工夫は、すべて野生での情報や海外の動物園資料などを参考におこなわれており、繁殖計画においてもヨーロッパ動物園水族館協会(EAZA)と連携して取り組まれています。水中の魚はときどき生餌となりながらも、死亡率の過度な上昇もなく、水草や自然石のある豊かな環境で暮らし、繁殖して世代交代しながら維持されているのも評価できます。
近年、カワウソのかわいい顔や姿、しぐさが飼育施設やマスコミで取り上げられ、ペット用の密輸などが問題になっています。本施設には、カワウソのペット化を助長してしまうような展示要素がなく、あくまで野生動物であるカワウソ本来の姿を伝えることで魅力的な施設となっています。野生環境の再現と動物の自然な行動を引き出した「王道のエンリッチメント」であることが高く評価されました。

 

■奨励賞:小さなエンリッチメントを伝えて大きな力に
(池田動物園)

■グッドアイディア賞:チュウサギのための水流給餌水槽
(飯田市立動物園)