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絶滅危惧種ウミガラスの子どもを公開

アクアマリンふくしまでは初めてウミガラスの人工育雛に成功し、幼鳥の展示を始めました。3階「北の海の海獣・海鳥」コーナーでご覧になれます。寒い北の海で生きるウミガラスの姿を見ることができる施設は日本で2か所だけです。

ウミガラス幼鳥

ウミガラスの育雛(いくすう)について

アクアマリンふくしまでは2007年1月からウミガラスの飼育展示をしています。2012年に初めての産卵を確認しましたが、孵化にはいたりませんでした。それ以降ほぼ毎年産卵は確認されていますが、親が抱卵を放棄するなどしてこれまで育成することができませんでした。昨年(2019年)より産卵確認後に卵を回収して、人工ふ化に切り替えていますが、展示ができるまでに育雛できたのは今回が初めてです。

人工保育データ

父親

2001年7月28日生まれ(19才) (体重 750g)
2007年1月24日 アクアマリンふくしま来館

母親

2002年7月15日生まれ(18才) (体重 820g)
2007年1月24日 アクアマリンふくしま来館

産卵月日

2020年6月5日(金)
朝8時頃発見~発見次第、卵を回収し人工ふ化に切り替え

孵化日

2020年7月11日 20時頃(体重67g)

ウミガラス

  • ウミガラス
  • チドリ目ウミスズメ科
  • 学名Uria aalge
  • 英名Common Murre

全長約43cm。太平洋北部および大西洋北部に分布する海鳥です。鳴き声が「オロロローン」と聞こえることから「オロロン鳥」とも呼ばれています。日本での繁殖期は初夏、産卵数は1つで、巣を作らず海岸の崖や岩棚などに直接卵を産みます。現在自然界で繁殖が確認されているのは日本国内では北海道の天売島のみで、環境省のレッドデータブックでは絶滅危惧ⅠA類に分類されています。

2020年8月現在日本で展示しているのは、当館の友好締結館である東京都葛西臨海水族園とアクアマリンふくしまのみです。