バショウカジキ展示
アクアマリンふくしまの「潮目の海・黒潮水槽」では、外洋を回遊するカツオやマグロ類の展示をしています。そこで当館ではかねてからバショウカジキの展示に挑戦してきました。このバショウカジキは、漁で混獲された市場に出ない小さな個体を、現地の漁業者の協力を得て、生きた状態で搬入し、水槽で飼育研究をしています。今回は越前水産株式会社(代表取締役 越前隆夫氏)の全面協力により状態の良い個体の採集が実現しました。
今年の6月には、飼育中の行動観察によりバショウカジキとコバンザメの共生関係を世界で初めて記録・論文化しました。論文について詳しくはこちら今後も、水族館という環境だからこそ得られる知見を丁寧に積み重ねていきたいと思います。
- 展示生物
バショウカジキ 1尾 全長約70㎝ - 採集場所
新潟県佐渡島沖 - 展示開始日
2025年9月13日(土) - 展示場所
2・4階潮目の海「黒潮水槽」
- バショウカジキ
- Istiophorus platypterus
- Indo-Pacific sailfish
全長約3mに成長します。芭蕉の葉のような大きな背びれを水面から出して高速で泳ぎ回ります。この背びれは、餌の魚群を威嚇したり、急停止や急旋回するときのパラシュート、ブレーキのような役割を果たしているとも考えられています。食性は魚食で、上あごの骨がのびた長い吻(ふん)を魚に打ち付けたりつついたりして餌をとります。カジキ類は世界中の温・熱帯海域外洋の表層域に分布し、日本近海では東北地方以南に6種類(バショウカジキ、フウライカジキ、マカジキ、クロカジキ、シロカジキ、メカジキ)が生息しています。