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世界初展示!エビジャコ科世界最大の新種「ダイオウキジンエビ」

2階「親潮アイスボックス」にてエビジャコ科最大の新種「ダイオウキジンエビ(大王鬼神エビ)」を展示します。

ダイオウキジンエビ 【ダイオウキジンエビ】

ダイオウキジンエビ

  • 大王鬼神エビ
  • エビジャコ科キジンエビ属
  • 学名Sclerocrangon rex

ダイオウキジンエビは、千葉県立中央博物館の駒井智幸博士とアクアマリンふくしまの共同研究による論文が2016年9月8日に公表され、新種と認められました(Komai &Matsuzaki 2016: Zootaxa4162)。

 ダイオウキジンエビの一番の特徴は眼球後方の頭胸甲(いわゆるエビの頭)に他のキジンエビ属の種には無い棘(トゲ)を持つことです。さらに、体長25cmに達し、約220種が知られるエビジャコ科としては世界最大です。その大きさから、種小名をrex(=king:王の意味)、新種の標準和名はダイオウキジンエビ(新称)と命名されました。このような大型のエビが新種で見つかるのは、極めて珍しいとのことです。

 展示するダイオウキジンエビは体長約20cm、展示個体数は2個体です。世界初展示となるので飼育例がなく、飼育による生存期間は未知です。現在、アクアマリンふくしまでは、ダイオウキジンエビの卵の育成を試み、生態解明に取り組んでいます。北海道知床羅臼町では、ダイオウキジンエビを「ガサエビ」と呼び、以前から地元では食用として販売されていました。種名が確定したことで、地元の水産業の特産品の一つになれば幸いです。

*飼育水温1-3℃が適温で、採集が難しく世界でも展示例はありません。お早目にご覧ください。