生き物紹介
熱帯アジアの水辺
オイランハゼは奄美大島以南の西部太平洋に分布しているハゼ科の魚です。主に河口付近や浅瀬に生息し、トウゾクテッポウエビと一緒の姿が見られます。この2種は共生とよばれる関係であり。まったく異なる生きものでありながら、互いに助け合っています。
トウゾクテッポウエビはトンネルを掘って巣穴をつくりますが、掘った土を巣穴の外に押し出さなければなりません。しかし、安全な巣穴のとは違い、土を出入り口から外に出す時は、無防備であり他の大きな魚に食べられる最も危険な瞬間です。また、基本的に穴の中で暮らすため、あまり目はよくないようです。この時、巣穴で同居しているオイランハゼは、まるで工事現場のガードマンのように、出入口周辺で見張りをし、大きな魚の影など危険を感じると、尾を使って、トウゾクテッポウエビに警告します。そして、さらに危険を感じたときは、自らも巣穴の中へ避難します。オイランハゼにとっては、そばに常に隠れ家があることになります。
おもしろいことに、オイランハゼと共生するテッポウエビの種類は決まっています。異なる産卵をし、全く違うこの仲間の子供たちが、広い海のなかでどのようにして互いを見つけるのか、考えるほどに不思議です。
生物分類 | 魚類 |
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英名 | Singapore Prawn-goby |
学名 | Cryptocentrus singapurensis |
科名 | ハゼ科 |