シーラカンスとは

シーラカンス

シーラカンス標本解説

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シーラカンスは、普通の魚のような脊椎骨は無く、脊柱は体液が満ちた太い一本の中空の管からなっています。そのため、学術名Coelacanthは、中空を意味するCOELと、脊柱を意味するACANTHという二つの語からなっています。魚の時代と呼ばれる古生代デボン紀にこの仲間から陸上動物が進化したと考えられています。肉質の胸びれと腹びれはそれを物語っています。

恐竜が生きていた!

初のシーラカンスが捕獲されたのは、1938年12月22日、南アフリカのイーストロンドンのチャルムナ川の沖でした。発見者のコートネー・ラティマー女史は、イーストロンドン博物館の若い学芸員。この変わった魚の発見を、すぐにグラハムスタウンのローズ大学の魚類学者J・L・B・スミス博士へ連絡をしました。

この発見は、まるで生きた恐竜があらわれたように世界の生物学者を驚かせました。20世紀最大の生物学的発見とも言われました。それは、シーラカンスは恐竜の時代に絶滅したものと信じられていたからです。スミス博士は、魚を発見したラティマー女史と、魚が最初に獲れたチャルムナ川沖を記念して、ラティメリア・カルムナエ Latimeria chalumnaeと命名しました。2匹目のシーラカンスは14年後の1952年に東アフリカとマダガスカル島の間に位置するコモロ諸島で捕獲され、以後同島付近で200尾ほどが捕獲されています。

海の王様、インドネシアシーラカンス

コモロ諸島から10000㎞も離れたインドネシアのスラウェシ島で別のシーラカンスが発見されました。1997年9月のことでした。インドネシアのスラウェシ島を新婚旅行中だった米国人マーク・アードマンは、マナドの魚市場で巨大な魚を見つけました。彼は、これはシーラカンスに違いないと思い、写真も撮りましたが、その個体は直後に消えてしまいました。その後、彼は漁師からのシーラカンスの情報収集につとめ、翌年、ついに二匹目のシーラカンスを発見し、標本として確保されました。DNAの解析によって、別種のインドネシアシーラカンス Latimeria menadoensis の学名が与えられました。

熱帯アジアの環境がシーラカンスを育む

インドネシアは、アジアとオーストラリアの間に位置する赤道直下の島国です。東西4000㎞、南北1800㎞の広大な海域に散在する、17000の島々からなります。環太平洋造山帯の縁辺に位置するため、火山活動も活発で、標高2000mの山々や5000m以上の高山も連なっています。そして、熱帯雨林、マングローブ林、サンゴ礁、湿地帯など、多様な自然然環境が、多様な生物の生息場所をうみだしています。

インド・西部太平洋海域、熱帯アジアの生物多様性と多様な環境がシーラカンスの生息を可能にしてきたのでしょう。

熱帯アジアの風景

熱帯アジアの風景2

アクアマリンふくしまとシーラカンス学術調査計画

アクアマリンふくしまの
プロローグ「海・生命の進化」

アクアマリンふくしまのプロローグのテーマは、海と生命の進化。人々は、地球創世と38億年前の生命の誕生から先カンブリア紀までを数分のCGで通過します。そして、6億年前の「カンブリア爆発」の化石と生きた化石の水槽展示からがはじまります。地球上に酸素が十分行き渡り、有害な紫外線をカットするオゾン層が形成されると生物が爆発的に増え、現生動物の代表が出そろいました。シーラカンスは古生代デボン紀から3億5千万年前の石炭紀の間に出現しています。多様な魚形動物が出現しては絶滅していきました。シーラカンスはカンブリア爆発の申し子であり、アクアマリンふくしまのプロローグの主役です。

アクアマリンふくしまでは、施設のシナリオを一層強調するために、シーラカンス学術調査を長期計画として位置づけ、様々な活動をおこなってきました。

アフリカシーラカンス保全プログラムとの提携

SAIAB(南アフリカ水生生物多様性研究所)とのシーラカンス調査に関する相互協力覚書を締結

南アフリカのグラハムズタウンの水生生物種多様性研究所、旧名JLBスミス魚類学研究所のアフリカシーラカンス生態系プログラムとアクアマリンふくしまシーラカンス調査研究長期プロジェクト間で2006年4月20日、相互協力の「覚え書き」に調印をしました。アクアマリンふくしまは、インド洋のプログラムと連携して、水の惑星のモンスター、シーラカンスの生態解明に共に取り組むことを決意しました。

インドネシアシーラカンス保全プログラムの確立

アクアマリンふくしまと、インドネシア科学技術院、LIPIは、2006年5月26日に、インドネシアシーラカンスの持続可能な研究を目的として、多角的な協力関係を維持するために、映像管理の覚え書きに合意しました。形態学的にも生態学的にもインドネシアシーラカンスに関する知識は極めてわずかであり、インドー西部太平洋海域における本種の保全のためには、生物学的研究は焦眉の急です。アクアマリンふくしまは、今後、LIPIおよび、サムラトランギ大学とさらに力を合わせ、インドネシアシーラカンスの保全にとりくむことにしました。この覚え書きは活動強化の大切な第一歩となるでしょう。

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