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2017.5.16


ラブカ研究プロジェクト

深海にすむ古代鮫「ラブカの人工保育」
世界最長記録達成
−新たな人工保育への挑戦 始まる−

■ラブカの胎仔の死亡について

 アクアマリンふくしまでは、ラブカ雌親魚より摘出した卵を人工環境下で管理していましたが、2017年5月15日に胎仔が死亡しました。生存期間は2016年5月20日から数えて361日、胎仔の全長は約120mmに成長していました。本来母体内で成長する胎仔を長期にわたり人工環境下で管理することは大変困難であり、他の稚魚を産むサメ類でも例がありません。当館では、この技術を更に向上させ、ラブカにとどまらず、同じように繁殖するシーラカンスへの応用も視野に入れています。


《ラブカの卵》
2016年10月12日撮影



《人工保育世界最長を記録したラブカの胎仔》
2017年5月13日撮影
全長120mm


■新たなラブカの胎仔を入手しました

 ラブカ研究プロジェクト(東海大学海洋科学博物館(静岡市)との共同研究)では、2017年5月7日、駿河湾で行われているサクラエビ漁において雌のラブカ成体1個体を採集し、体内より全長約300mmに成長した胎仔を得ることができました。大変貴重な事例であるため、5月8日に2個体を同博物館より当館に移送し、人工環境下で管理し、展示を目指すことにしました。飼育の過程については随時ホームページでご紹介します。


《新たに人工保育を開始するラブカの胎仔》
2017年5月15日撮影
全長300mm


ラブカ

 
 ラブカ目ラブカ科 
 学名:Chlamydoselachus anguineus
 英名:Frilled Shark



 ラブカは、水深500〜1000m以深に生息し、イカ類などを捕食しています。駿河湾で行われているサクラエビ漁では水深80mで混獲されることがあります。胎生で妊娠期間は3年半に及び、2〜15尾の子を産み、最大で全長2mになります。体型、歯の形状、エラの数などが、今から3億6千万年前の古代デボン紀に栄えた古代鮫のクラドセラケ(Cladoselache)に似ていることから「生きた化石」と呼ばれています。
 世界で1属1種と考えられてきましたが、2009年に南アフリカの近海で新たな1種が報告されました。
 水族館では、たびたび底曳網や刺し網、サクラエビ漁で混獲された個体が展示されますが、数日で死亡する事例がほとんどです。これは水深500m以深に生息するラブカが水圧のない環境では肝臓の機能が損なわれることが要因であると考えられています。水圧の肝臓への影響はラブカに限らず、深海サメ類全般に当てはまることで、ほとんどの種類が長期飼育できないのが現状です。





  2016年4月1日に発足した東海大学海洋科学博物館と当館の共同プロジェクト。過去の研究成果の更新と新たな知見を得ることを目標に活動しています。これまでの活動はこちらのページでご確認ください。


 
ラブカ成体

東海大学海洋科学博物館ふくしま海洋科学館 アクアマリンふくしま
東海大学海洋科学博物館             アクアマリンふくしま

 

 

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