館長からのメッセージ

クウェート・ふくしま友好記念日本庭園について

アクアマリンふくしまは東日本大震災に際し、思いがけず300万ドルの復興支援金を頂きました。被災の翌年、アルサバーハ国王の来日時にその発表があり、大変ありがたく思いました。筆者が1968-69年に研究者として所属したクウェート科学研究所の同窓会長でもあるモハマッドアルアッタール博士はじめ多くの友人たちの支援があってのことでした。

除幕式 除幕式

除幕式

アッタール博士ご一家には、2013年の8月に来日していただき、記念公園のシンボルとなるサラーム・平和の巨石の除幕式に参加していただきました。その際には、新潟市水族館、庄内加茂水族館、最上川下りなどの「おもてなし」を致しました。

支援金による復興の第一弾として、クウェート国への謝意を表すために「クウェート・ふくしま友好記念日本庭園」の整備をすることにしました。ほぼ一年の工期で、平成26年2月22日に記念日本庭園竣工し、式典を挙行しました。

クウェート・ふくしま友好記念庭園 竣工式 クウェート・ふくしま友好記念庭園 竣工式

クウェート・ふくしま友好記念庭園 竣工式

式典には、駐日クウェート国特命全権大使 アブドゥルラーマン アルオテイビ様はじめ、佐藤雄平福島県知事と、クウェート国からの支援に際しご尽力を賜ったクウェート科学研究所のナジ アルムタイリ所長、ナーデル アルアワディ国際協力上席理事、スレイマン上級研究員、赤津研究員など関係者の皆様をお招きしました。また、クウェート科学センターからは、ミジュビィル館長をお招きしました。式典後、館内シアターでオアシスをテーマにした「オアシスシンポジウム」を開催しました。終了後、大水槽前で歓迎レセプションを盛大に開催しました。

歓迎レセプション 歓迎レセプション

クウェート・ふくしま友好記念日本庭園アウトライン

記念日本庭園はマダケの骨組みに縄文人の食料といわれるクズをはわせた「クズのトンネル」や、クウェートの砂漠オアシスの自然を展示する「砂漠は生きている」、クウェートとの友好記念モニュメント「鮫川石記念碑」などのテーマ展示からなっています。

①クズのトンネル

「クウェート・ふくしま友好記念日本庭園」のエントランスは、いまや荒れた里山の象徴ともなっているマダケとクズによるシンボリックなアプローチです。大國魂神社から提供いただいたマダケによる立体的な構造に、クズを誘引する。いずれクズだけで自立するふしぎな建築として、縄文の里の象徴となるでしょう。

②砂漠は生きている

水生生物保全センター(CAL)の温室を改装して、クウェートの砂漠オアシス環境を表現したアートと動植物の展示です。オアシスの植物であるナツメヤシがふくしまで収穫可能か、実験的な露地栽培も行います。また、砂漠に生息する生物として、フェネックを展示します。

③鮫川石記念碑

鮫川石にアラビア語で平和を意味する「サラーム」と刻みました。復興支援していただいたクウェートとの友好記念モニュメントです。

④クズの海

クズ原に囲われた面積800平米の水面には鮫川石10石を配しました。楕円型の水面は、眺める方向、角度、季節、時間によって様々な様相を呈するように配置されています。(水量450立米)。

⑤鯉の川

 流路は長さ80m、日本の庭園文化の一部ともなっている錦鯉の水路です。水路自体が水質を浄化する構造になっています。(水量250立米)。

⑥5石の石組み

 アクアマリンふくしまがキーワードとしている「よみがえれ」の記念碑・鎮魂碑としての石組みです。(2009年に設置したものを移設)。

⑦防潮林(須賀)

 浜通りの海岸植生を再現した防潮林(須賀)を2号埠頭全体にめぐらす計画です。このたびは東側の防潮林(須賀)造成に着手しました。いわき市周辺の海岸で採取した在来種の種子から苗木を育成し、継続的に補植してゆく計画です。

⑧阿武隈の森

 既存のマウンドに阿武隈山系の植生を再現した森を造成します。いわき市や鮫川流域などで採取した在来種の種子から苗木を育成し、継続的に植樹してゆく計画です。 ※「須賀プロジェクト」:防潮林(須賀)に 阿武隈の森を構成する植物の採集・育苗・植樹を「須賀プロジェクト」と称して、2013年秋にスタートしました。

クウェート・ふくしま友好記念庭園 クウェート・ふくしま友好記念庭園